【道祖神】愛知県高浜市の歴史研究

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愛知県高浜市の道祖神

高浜市の道祖神の紹介

所在地は愛知県高浜市内でもっとも大きい神社である春日神社を南へ約100メートルほどの場所に行くと小祠がありその中に左の写真の双体道祖神があります。
高浜町誌によると、もとは高浜町薬師下旧中辻道に沿ったところにあったそうです。 明治九年の道巾図面に「土祖神」と記載されていますが、いつの頃からこの場所に祀られていたかは不明となっています。 その後、大正の初め、現在の地に移されました。

道祖神とは

道祖神の名称は他にもあり、道陸神(どうろくじん)、さいの神とも呼ばれています。 道陸神という名称は中国関連の資料にも書かれているようです。 おなじように高浜市の道祖神も、高浜市の関連資料を見ると道陸神という記述も見えます。 この名称は、国内では四国の道祖神にも使われているようです。
いっぽう道祖神に関連する古い文献を探すと、「道祖」「祖神」「塞の神(さえのかみ)などの項目が和名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)にあります。
道祖神は旅の安全や村の外から疫病や悪霊などを防ぐ民間信仰の神であり村の境などに祀られました。 江戸時代に多くの双体道祖神が造られ盛んに信仰されたようです。
道祖神についてもっと知りたいかたはwikiを参照してください。
道祖神 - Wikipedia
さらに平安時代には国司が旅の安全を祈願していた記述もあります。この記載に関しては後ほど紹介させていただきます。
双体道祖神の分布を見ると、長野県や茨城県に多くあり、その他の地域にも存在しています。 ほとんどが山間部に存在し、平野部にはあまり見られない特徴があります。 視点を変えて補足をすると人口密集地域には、ほほ現存せず、人口過疎地帯に多く現存しています。 京都には道祖神は存在しないとされていますが、『京都三山石仏・石碑事典』には京都の西山に道祖神像の記載があります。

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造形について

高浜市指定文化財の双体道祖神

道祖神の造形

高浜市の双体道祖神の石質は砂岩で、石には男性像と女性像が彫られていています。 このようにひとつの石に男女二体の像が彫られているものを双体道祖神像と呼びます。
信州などの造形は地蔵が二体並立しているものや烏帽子(えぼし)姿の男性と女性が並立して正面を向いて手をつないでいるもの、祝言(しゅうげん)型やなまめかしい造形のものが多くあります。
いっぽうで高浜市の道祖神は、男性は烏帽子姿で手に御幣(ごへい)を持っていて、女性像は袖を口元近くに持ってきています。 男女は寄り添うような形で、男性像はやや左の方を見ていて、女性像はやや右の方を見ています。 このように男女が向いている方向が異なるところは他の地域にはみられない特徴となっています。
このような造形から双体道祖神の一部は、古事記にある猿田彦(さるたひこ)天鈿女命(あめのうずめ)と考えられています。

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礼法から見る道祖神

道祖神(道陸神)

道祖神と礼法

全国にある道祖神は対面して右が女性で左が男性であり、高浜市の道祖神は男女の位置はそれらとは逆となります。 この男女の並びの比率はどうなっているのかを示した資料があり、それによるとおおよそ2:1から3:1のあいだの比率で対面して右に女性左に男性のほうが多数となっています。
これら男女の並びは礼法と関連していると考えられます。 右大臣・左大臣などの上下関係から見てもわかるように公家社会で対面して上座は右になります。 いっぽうで武家社会では対面して左が上座となります。
このように道祖神にも適用すると対面して右に女性・左に男性が彫られている道祖神は武家社会の影響があったものであり、対面して右に男性・左に女性は公家社会の影響を受けているものととらえれば、高浜市の道祖神は公家社会の時代のものと考えられます。
そこで日本での道祖神の歴史を見ると平安時代まで遡ることができます。 扶桑略記(ふそうりゃくき)を見ると平安時代の都にあった道祖神は木像であり陰陽(性器)も描かれていました。 平安時代の石造の道祖神については記述はないようです。
では礼法から見て高浜の道祖神はいつの時代のものと考えられるのでしょうか。 当時の歴史を調べると平安時代以外で荘園が各地に存在していたのは鎌倉時代あたりとなります。 鎌倉時代の高浜村は志貴荘(しきそう)の領内でした。 荘園制度が崩壊してからは高浜村は戦国時代まで奈良の春日大社の神領でした。 礼法から見ると高浜の道祖神はその時代のものである可能性が有力となります。
少し余談になりますがこの平安末期から鎌倉時代には地蔵の石造物が作られはじめています。 隣の刈谷市にある石造の道祖神は地蔵と陰陽石信仰の男性器が習合した造形をしています。 作られた時期は鎌倉時代のものとされています。

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